いつのまにやら短期間にいろいろなPDAを渡ってきました。
シグマリ2、GFORT、SL-C750に別れを告げて、CLIE/Palm陣営を試してみようと、SONYのCLIE NX-73Vを購入した。左写真
高機能なのはさる事ながら、なによりそのルックスに惹かれました。・・が。なーんかしっくりこないんですね。自分は、PDAとして利用したい。ゲームエミュとかMP3専用というような贅沢な使い方は考えていません。
さて、CLIEとはどういうものなのか?
なにか、微妙な「いまさら感」が漂っているような気がする。これも多分、先日の海外から撤退表明を出してからなのかもしれない。
「もしかして、SONY社内でのクリエへのパワー配分が縮小されるのでわ」という恐怖にさいなまれているのではないかと・・推測。
いや、当時のPalmへの力の入れようはハンパなかった。古い機種だろうとPDAとして存分に機能してくれるに違いない。
初めてのCLIEを購入し使用1週間したうえでレビュー。
採点表の対象機種は以下です。
リナザウ
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CLIE
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PocketPC
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SL-C750
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Clie NX-73V
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Genio e550G
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ソウトウェア
簡単に言ってしまうと、ソフトウェア全般に作り込みが足りない・・。との印象を受け。世界で最も普及したはずのPalmソフトウェアに大変期待したものだが、ザウルスやPocketPCとほとんど変わりないし、部分的に負けている感がある。(勝っている部分もある)
少しばかり気になったのが、操作系の統一感がなかったという事。この点は、正直、まだ(進化中の)リナザウの方がしっくりきてた。
SONY仕込みのCLIEソフトは大変立派なもの、PCよりもデザイン的にも使い勝手もしっかりしていた。(SONYにWindowsを作らせたいくらい)・・が、SONYとてベースになってるPalmそのものをいじくり回す事はできない訳で、たまに出てくる、みすぼらしいウィンドウ(多分、Palm標準ウィンドウ)で、いきなりトーンダウンするし・・。
PocketPCは、マイクロソフト/Windowsという「標準」があって、フリーソフトでも暗黙的にそれに従って開発されている。商用ソフトならなおさら。
アプリごとにボタンの配置がてんでばらばらは、きついぞ。
ザウルス陣営の、あの独特な「OK/CANCELボタン」はいい。これはぜひ、ポケPC、Palmにも採用してもらいたい。
リナザウ
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CLIE
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PocketPC
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★☆☆
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★★
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★★☆
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※ザウルスの場合は★★★ですよ。Palmは知らん。
文字入力
Palm全般のところかと思うんだけど、全操作をキーボードだけで行うことができない点は最強に難点。
リナザウだってキーボードだけで操作できるのに(リナザウさんに失礼だな・・)、CLIEでは部分的にサポートしているような感じで、いちいち持ち替えて操作しなければならなくなった。PDAとして、これは凄く厳しい。
ただ、Decumaは最強の手書き入力環境です。標準のGraffitiも併せて、手書きについては、Palm陣営が抜きんでてる。
リナザウ
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CLIE
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PocketPC
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★★☆
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★★★
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★★
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液晶の綺麗さ
いま思えば、リナザウの液晶は凄かった。最強です。
これも単純に透過型液晶だから・・なんだけど、不利な点だってある。そう、屋外にはめっぽう弱い。環境光に勝るだけの光量が必要になる。
NX-73Vも同じように透過型。光量はリナザウほどはないけど、十分に綺麗だった。
e550Gは、珍しく、反射型液晶。これは、まったく逆の性質で、液晶全面辺りにライトがあって、導光板から光を当てる方法。液晶の全面に導光板があるので、非常に見難い(慣れればいいけどね)
だが、屋外に出ると、フロントライトをゼロにしても全然見える。逆に明るければ明るいほどいい。
リナザウ
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CLIE
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PocketPC
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★★★
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★★★
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★★
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筐体サイズ
NXのこのドデカイ筐体は、(やはり・・・)重くて、PDAとしてはきつかった。
常にバックなどを持っていて、さっと取り出せるようになっていれば、良いのかもしれないが。ポッケに入れては重いし、手に持つのも落としそうだし。なんとも居場所がない。
SL-C750、NX-73V、e550G
リナザウ
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CLIE
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PocketPC
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★☆
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★
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★★☆
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ソフトウェア開発
ソフトウェア開発においては、応用が利かない点で×。PocketPCやリナザウならこれまでの知識や経験を生かせるし、WindowsやUnixなどと連携する事が容易だ。ソフトウェア環境も、無料でそろえる事ができる。
SONYでもSDKなどを配布してはいるが、(遊びにしては)高額な商用CodeWarrior向けのものだ。
CodeWarriorが主だっていて、NSBASICと、GCCによる開発も可能らしい。
案の定、ネット上にはあまり情報が転がっていない。この辺は、PocketPCなどとユーザータイプが違うからなのかもしれない。開発環境が、比較的に高額なのも原因かも。PocketPCなら、マイクロソフト製のものが無料で利用できたし。
Clie関連のSDKだけは、SONYからゲットできるよう(CodeWarriotを推奨してる)
リナザウ
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CLIE
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PocketPC
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★★★
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☆
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★★☆
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これが、使いにくいのなんの。
標準のPalmホームにした方がいい。
Palmは初めてなので、もしかするとCLIEだけなのかもしれないが、目に付いたところだけピックアップした。
最後に
最後にフォロー、CLIEはここで上げた悪い点を超えるだけの優秀なところがある。SONYが入魂するとここまで強まるのだな・・と関心したし。ソフトウェアの豊富さと作り込みは一見の価値ありです。持っているだけで気持ちいいのは、CLIEだけ。
無骨なPocketPC/リナザウが、5万円超えなのに対し、CLIEは2万円台から用意されている。
総合的に見ればCLIEがトップなんだけど、自分には合わないっぽいです。残念。
リナザウ
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CLIE
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PocketPC
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★★
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★
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★★★
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※あくまで自分の場合ですよ。
こんなPDAもありなんじゃないかと。。SL-A300がむばれ
リナザウのCL-A300。最薄、最軽量のこのPDA。実売2万位
なんかもう終わりっぽい感じですが、自分的に「有り」なんですよね。Linux搭載の部分だけ取り上げられていて、「なんでシェルないねん!」とかちょっとはき違えているユーザーさんが多い。
メーカーが言っているように、「データビューア」として利用する分には、かなり最適な端末。
ただ、失敗しているのは、その価格と見たくれ。ビューアーとしては高額だし、見たくれがPDAっぽい(ので期待してしまう)の2点。最近台頭してきた、文庫ビューアーやビデオ/MP3プレーヤーが直接のライバルとなるわけですし、価格的にも厳しい。社内などで利用する場合など、無線LANからファイルやウェブを閲覧できると価値が高い。
結局のところ、どこでラインを引くかになってしまうのかな。
Linux・ハック好きなおたくと、一般向けの購買層を持つ(有利な?)リナザウだけに、もっと意欲的に頑張ってもらいたい。
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